【初心者向け】登る山を選ぶ基準2点(おすすめの山付き)

登山初心者の頃は山の経験が少ないため、登りたいけれど自分自身の体力で大丈夫だろうかと不安になることがあるかと思います。本記事では、登山難易度を左右する「体力的な部分」と「技術的な部分」を解説し、最後に初心者にもおすすめの山を紹介いたします。

体力的観点

山登りは全身運動です。人によって体力は異なりますが、誰でも体力に限りがあるという点は平等です。山登りにおいて体力が尽きて動けないという状態になってしまわないように、登る山に必要な体力はどの程度か検討をつけられるようにしましょう。登山における体力的な観点は、「行動時間」「累積標高差」「行動距離」「季節・天候」等が重なり、決まってきます。

行動時間

行動時間は重要なファクターの一つです。一般的には、行動時間が5時間までのコースが初心者向きとされています。5~8時間程度であれば中級者向け、8時間を超えるようなコースは上級者向けに分類されることが多いです。初心者のうちは日帰りで、行動時間が短めのコースを選択し、休憩を多くとっても行動に支障が出ないように計画に余裕をもっておくことが必要です。

累積標高差

単純に標高が高い山ほど、登山の難易度はあがるというイメージがあるかもしれません。ある程度は間違いないのですが、必ずしもそうだとは限りません。下図のA山とB山では、A山方が標高が高く、体力的な難易度は高く感じます。ですが、実際に自分の足で登る標高はA山1000mに対してB山は最初のピークまでの600mと一度下ってから再度山頂に登るまでの500mを足し合わせて合計1100mとなります。この考え方を累積標高差と言います。累積標高差の観点から考えると、Bの山の方が体力的にはきついです。初心者の方は、累積標高差800m未満程度からチャレンジしてみましょう。ちなみに日本一標高の高い富士山(3776m)ですが、最も高い登山口(富士宮)は2380mであり、アップダウンが無くほぼ登りだけですので、累積標高差は約1400mとなります。思ったより累積標高差は少ないですよね。

行動距離

同じような累積標高差の山でも、行動距離が長い山には要注意です。先ほどは標高差の話をしましたが、まったく登らず平坦な道を歩くだけでも体力は消費するものです。概ね行動時間に比例しますが、いったいどれだけあるくかという点も考えておくと安心です。また、登山中の行動距離はもちろんですが、駐車場や駅から登山口までがかなり長い場合は盲点になりがちです。行動距離が10kmを超えるとかなり疲れてきますので、初心者のうちは8km程度までにして、徐々に行動距離を伸ばしていきましょう。

技術的観点

いくら体力に自信があっても、登山の技術が無ければ安全に登山をすることはできません。技術的観点では、「遭難」「障害」「気象」の観点から山を見てみます。

道迷い

初心者の内は最も怖いリスクの一つです。基本的に登山道が整備されており、多くの人が訪れる山を選ぶとリスクを軽減することができます。低山でも、あまり有名ではなく整備されていない山には道迷いの危険性があります。そういった山には、ある程度慣れてきて、地図やコンパスが扱えるようになってから挑戦してみましょう。

障害

登山道において障害は多数あります。例えば岩場です。傾斜のきつい岩場を突破するためには、それなりの技術が必要です。またそういった場所では滑落の危険性も増します。他にも、ハシゴやロープを必要とするルートや、雪渓や川を渡るルートなどは難易度が飛躍的に上がります。慣れてくるとこういった障害も達成感になり得るのですが、雪渓や川渡り(徒渉)等は、そもそも道具がないと一切進めないこともあります。初心者の内はこういった障害がないコースを選ぶようにしましょう。

気象

これは体力的観点や技術的観点全てに影響を及ぼします。例えば、風雨があれば同じコースでもより体力を使いますし、視界が悪ければ、道迷いや技術的に困難な個所の通過も困難になります。初心者のうちは気象を予想することは難しいですが、少なくとも登山予定日と翌日あたりは高気圧の影響下で好天が期待できる日程で山に入るようにしましょう。

オススメの山とまとめ

ここまで「体力的な観点」と「技術的な観点」の2つの視点から山の選定基準をお伝えしました。最初はどちらの観点から見ても難易度の低そうな山を中心に登り、体力に支障が無ければ少し体力の観点の難易度を上げるなど、少しずつ登れる範囲を拡大していくと無理なくレベルアップできます。下記に私が登った山のうち、初心者にもおすすめできる山を記載しておきます。私の母(50代)を想定して選んでおります。体力的にも技術的にも初心者向けです。

  • 妙義山(群馬)
  • 赤城山(群馬)
  • 筑波山(栃木)
  • 高尾山(東京)
  • 大山(神奈川)
  • 天城山(静岡)
  • 三頭山(山梨)
  • 蓼科山(長野)

無理なく登山の経験を積んで、少しずつレベルアップしていきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました