こんにちは。カケルです。山に登る上で大切な気象。以前オススメした気象に関する本でたくさん勉強することも大切ですが、太古の昔から人々の間で語り継がれてきた経験則も頼りになります。本日は登山を通じて様々な方に聞いた経験則を共有いたします。
観天望気とは
皆さんは「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」という言葉を聞いたことがありますか?これは、古来から伝わる人々の経験則を言葉にした、ことわざのようなものです。科学的根拠の無い情報のように感じますが、実はこれらの言葉は気象現象と結びついたカラクリがあり、登山時に参考にできる情報も多いです。
例えばこの言い伝えの場合、雨が降る可能性のある条件(湿度が高い状況)になると、ツバメのエサである虫が低く飛ぶため、「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」は成立しますね。
他にも、「夕焼けの翌日には晴れる」等は有名ですね。
このような経験則を観天望気と呼びます。
それでは、山にまつわる観天望気を紹介いたします。
観天望気
生物に関わる言葉
動物が登山道を横切るとやがて天気が崩れる
熊や鹿などは基本的に憶病な生き物で、基本的に人間がよく通る登山道には姿を現しません。そんな動物も、天候の悪化を予測して移動する際には、登山道を横切ることがあります。彼らは彼らで「天気が悪い時に人間は登山道にいない」といった経験則があるのかもしれませんね。
夜行性の生き物が日中に行動していると天気が崩れる
山でよく見る夜行性の生物ってご存じですか?タヌキ、イタチ、ムササビが思いつきましたが、クマやイノシシも基本的には夜行性だそうです。会いたくないものです。
悪天を予期した動物が、移動するためだと思いますが、実は私この経験があります。
神奈川県の大山という山に登った際、ムササビを見つけたんですよね。(当時はムササビが夜行性とは知らず…)嬉しくて写真を撮ったりして山頂まで登りましたが、その後見事に雨にやられました。びちょびちょになって帰ったことを覚えています(笑)
下記は別日のナイトハイクで見つけたムササビです。

空に関わる言葉
太陽にハロがかかると雨
これも経験がある方は多いのではないでしょうか?ハロは原因となる巻層雲(氷晶)がある時に生じます。晴天だったところからハロや高層雲がでてきて、徐々に雲が低くなってくるときは要注意です。温暖前線の接近の可能性があります。

富士山に笠がかかると雨
これはもしかしたらご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。富士山に笠雲や吊るし雲がかかる状況というのは、富士山付近に強い風が吹いておりかつ大気が湿っている状況です。私は関東に現在住んでおりますが、これは当たっているような気がしています。
飛行機雲がずっと空に残ると雨が降る
飛行機雲は大気の状態が湿っていると中々消えません。そういった大気の状態の場合は雨が降りやすいと言えると思います。ただし、私は飛行機にも乗っていますが、これは必ずしもそうとは言えず、飛行機が飛ぶ高度帯の大気の湿り具合と地上付近の大気は別物ですので、他の指標やご自身の予想と合わせて参考にしたい情報ですね。

終わりに
観天望気の言葉をいくつか紹介しました。今回は一般的なものを紹介しましたが、その山毎にさらに具体的な言葉が語り継がれていたりします。そういった言葉は、何十年もその山に登り続けている地元の方や、山小屋の管理人さんがよく知っていることが多いので、聞いてみると面白いかもしれませんね。
気象に関する知識をバランスよくつけて、天気を味方に登山を楽しみましょう!
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